4月22日夜、地下鉄中央線の運転休止でごったがえす夢洲駅

「夏に学校単位で来るのは避けたほうがいい」

 万博会場に入ると、この日は平日ということもあってか、社会見学や修学旅行のため学校単位で訪れている子どもたちの姿が目立った。

 大阪府内の中学校から来たというB先生に話を聞いた。

「朝から来ています。暑いと聞いてはいましたが、想像以上でした。来場してまもなくリングにのぼって散策して、お昼の弁当を食べましたが、午後になると子どもたちの動きがすっかり鈍くなってきた。歩き疲れたんでしょうね。けど、ゆっくり休憩する場所が限られている。お昼時は他の学校とも重なるので、混雑もひどかったですね」

 万博の楽しみはパビリオン見学だが、渋い表情を見せる。

「人気あるところはどこも予約でダメ。そうでないところを2つ見学しただけです。学校まで1時間ちょっと地下鉄でかかりますので、万全を期して2時半にトイレなどを済ませ、全員点呼したところです。最初は笑顔だった子どもたちもくたびれた感じですね。本当は、無料招待は個人で使って、家族で自由に行ってもらうほうがいいように感じました」

 先生の了解を得て、生徒たちに感想を聞かせてもらった。

「リングの上からの景色がよかった。気持ちいい。ただパビリオンがあまり見られず、リングをぐるぐる回ってばかりだとしんどいし、つまらない。もっと見たいから家族で来ます」

「暑くてすぐに持ってきた水がなくなってしまった。ガンダムの前で写真を撮ったから、それだけはよかった。もう万博はええわ、スマホで見てるほうが楽や」

 この日は天気がよく、常に無料の給水スポットが混雑していた。

「無料の水を2回もらった」

 などという子どもたちが何人もいた。

 B先生は、こんな話をしてくれた。

「7月に万博を予定している中学校の先生を知っています。バス手配の都合でその季節しかとれなかったそうです。4月に来て、昼間はこの暑さ。日差しを避ける場所もリングの下か団体用のスペースしかない。熱中症対策を十分にするようにとアドバイスするつもりです。正直言えば、夏に学校単位で来るのは避けたほうがいいと思う。万博会場は広いし、万が一、熱中症で倒れたりしたら、子どもたちの命にもかかわる。それと、メタンガスが発生しているというマンホールのある万博の西側には行かないように注意しました」

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