面白い子が注目される

Aさん:私の周囲もいろいろです。自己探求心が強くて、映画の翻訳家になるために会社を辞めて留学している子もいれば、「仕事はせず、おばあちゃんの家でのんびりしてる」という子もいる。ゴーイング・マイウェイで「オイオイどこ行く?」みたいな人も多い(笑)。女子校は「面白い子」や「ちょっと変わった子」が一目置かれるから、そうなりやすいのかも?

Dさん:そう、いかに個性を面白いと思われるか。共学のように「可愛い子が注目される」というのはないんです。

Aさん:男子がいないから「ちょっとキュンキュンしたい」ってなると女子に向かうんですよ。モテてる子はいましたね。

Cさん:はい! 私モテてましたよ(笑)。

──社会に出てから、女子校で培った価値観とのギャップに直面した経験はありますか?

Dさん:あります。私はずっと「女と男はそもそも対等だ」と思って生きてました。男子がいないからこそ、そう思っていたようで、社会に出てから「え、違うんだ」と驚きました(苦笑)。

Cさん:新卒のとき典型的な日本企業に入社して「ここに一生居るのはムリだな」と。男尊女卑の世界で、すごいフラストレーションでした。転職してもあまり変わらないように思って、自分で会社を立ち上げました。

処世術がわからない

Aさん:私はそういう壁を感じたことはないですね。出版業界は女性が多くて、最初に営業をやっていたときも成績優秀な女性がたくさんいました。「男性を立てなきゃ」という場面も経験がない。

Dさん:私が居る会社も若い人が多いので、普段「女だから云々」と感じることはなくて。でも一時期、営業をやっていたときは仕事がハードで、初めて「男の人に体力では勝てないな」と思ってしまった。そこは自分の努力だけではどうしようもなかったところです。

Cさん:体力的に男と同じ働き方はできないよね。どこかで限界を感じる瞬間はあります。

Bさん:前職の忘年会で「新卒の女子だから」というので部長の隣に座らされたとき、「まだこんなのあるんだ、キモ!」と思ったんです。ずっと女子校で育って、「男女平等」だと思っていたのに「こういうの、会社にはまだあるんだな」って。

Cさん:私が新卒の時もありましたね。今思うとキモイけど、当時は疑問を持ちませんでした。そういう時代でもあったのかな。

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