阪神の大竹も育成出身、現役ドラフトで移籍して23年の日本一に貢献した(日刊スポーツ)

他球団の戦力外選手が日本一に貢献した例も

 他球団の編成担当は「石川が戦力外通告を受けたとき、複数の球団が調査をしていたと思います。その中で巨人は動きが早かった。欲しい選手でした」と振り返る。

 他球団で戦力になれなかった選手が移籍して活躍し、チームを頂点に導いたケースが過去にある。

 阪神の大竹耕太郎は石川と同じ左腕で、ソフトバンクに育成ドラフト4位で入団。先発ローテーションに定着できず、22年オフに阪神へ現役ドラフトで移籍した。これが転機となり、23年は21試合登板で12勝2敗、防御率2.26をマークして阪神の38年ぶりの日本一に大きく貢献。昨年は自身初の規定投球回数に到達し、11勝7敗、防御率2.80で2年連続2ケタ勝利を記録した。

 DeNAのサブマリン右腕・中川颯もオリックスでは1試合登板に終わり、23年オフに戦力外通告を受けたが、DeNAと契約。昨年は29試合に登板して3勝1セーブ5ホールドをマーク。CS、日本シリーズでも救援登板して抜群の安定感を見せ、26年ぶりの日本一の原動力になった。

 同じように野球人生の崖っぷちに一度は立った石川も、チームを日本一に導く救世主となれるだろうか。

(今川秀悟)

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