それ以降のシーズンは2022年に怪我に加えて禁止薬物使用が発覚し、メジャーでの出場なしに終わるなど、成績は落ちている。だが、アクーニャと同じく選手としてのピークはこれからなはず。勢いに乗ればどこまでも数字を伸ばせそうな雰囲気があるプレイヤーだ。メジャーリーグ公式サイトの『MLB.com』も「パワーとスピードの指標で常にメジャートップである」ことに触れ、「全盛期にはさらなるステップアップを果たす姿を容易に想像できる」とこれからの本格ブレイクに期待。シーズンを通して持てる力を発揮できれば「50-50」の可能性を感じる選手だ。
アクーニャ、タティスよりもさらに若い選手でポテンシャルを感じるプレイヤーもいる。
その筆頭が昨年のア・リーグMVP投票で2位となったボビー・ウィットJr.内野手(ロイヤルズ/24歳)だ。昨季はスプリントスピードがメジャートップとなるなど、“速さ”が最大の武器の選手であるが、それでもメジャー2年目の2023年から2年連続で30本塁打以上、30盗塁以上をマーク。これはバリー・ボンズ外野手(ジャイアンツほか)、ウィリー・メイズ外野手(ジャイアンツほか)など過去に8人しか達成していない偉業だ。さらに、デビューからの3シーズンで80本塁打以上、100盗塁以上を記録した唯一の選手でもある。ここからパワーが増していけば、大谷に続く“2番目”となる能力を秘めている。
昨年、大谷を超える67盗塁を記録してタイトルを掴んだエリー・デラクルーズ内野手(レッズ/23歳)もポテンシャルは非常に高い。本塁打はメジャー2年目となった昨季の25本が最多であり、リーグワーストの218三振を記録するなど打撃面ではまだまだ課題も多い。だがスピードだけでなくパワーも本物で、デビューした2023年にはアクーニャ、ジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)に次ぐ、打球の初速(Exit Velocity)を記録。盗塁はすでに異次元の数字をマークしており、打撃の確実性を向上させることができれば、次の「50-50」に最も近い男と言えるかもしれない。