昨シーズンに「50-50」を達成したドジャースの大谷翔平(AP/アフロ)
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 昨シーズンはドジャース大谷翔平が前人未到の50本塁打以上、50盗塁以上の「50-50」を達成したことが大きな話題となった。

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 これまで40本塁打、40盗塁以上の「40-40」達成者も5人と少なく、大谷の偉業は長いメジャーリーグの歴史の中でも異次元の数字。いかに一線級のパワーとスピードを兼ね備えることが難しいということが分かるだろう。

 だが、2023年からピッチクロックが導入され、ベース(ホームベース以外)のサイズも大きくなったことから盗塁の数は飛躍的に増加。また、打撃も「フライボール革命」に代表的されるように、打者がいかに長打を打つかというのが重要視され、いずれの数字も全体的に上がる可能性を秘めているといってもいい状況だ。そんなトレンドもある中で、大谷に続く「50-50」を達成する可能性のある選手は決して少なくないように見える。

 まず、すでに「40-40」を達成しているロナルド・アクーニャJr.外野手(ブレーブス/27歳)はその筆頭候補と言えるだろう。超トッププロスペクトとして2018年にメジャーデビューを果たしたアクーニャは大怪我で長期離脱することが目立つが、健康を保ったシーズンはいずれも驚異的な数字をマーク。メジャー2年目の2019年に41本塁打、37盗塁と早くも「40-40」に近づくと、2023年には41本塁打、驚異の73盗塁をマークして史上5人目となる「40-40」を達成した。

 昨年は左ひざの前十字じん帯断裂の重傷を負い、今季の開幕にも間に合わないが、パワーとスピードは間違いなくメジャー随一で、年齢的にもこれからが全盛期といえる。“健康面”での不安さえなくなれば、大谷に次ぐ偉業を成し遂げてもおかしくないプレイヤーの1人だ。

 同世代の選手ではフェルナンド・タティスJr.外野手(パドレス/26歳)も可能性のある一人。アクーニャと同時期に超有望株として期待された選手で、怪我が多いことも似通っているが、スピード、そしてホームランを量産できるパワーはメジャーでも“格”が違うように見える。3年目の2021年には42本塁打、25盗塁とキャリアハイの数字をマーク。当時はピッチクロック導入前であり、現在のような環境下であれば「40-40」を達成していた可能性はあるだろう。

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