
昨年12月に行われた第3回目の現役ドラフトからも新天地で飛躍する選手は現れるのだろうか。過去2回で移籍した選手には新天地で大きな戦力になったケースもあるだけに、今年もブレイクする選手が出てくるのか注目が集まっている。
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「大竹耕太郎(ソフトバンク→阪神)、細川成也(DeNA→中日)、水谷瞬(ソフトバンク→日本ハム)のような成功例もある。ポテンシャルはどの選手も高いので大化けに期待する関係者は多い」(在京球団編成担当)
まだ始まったばかりの制度ではあるが、現役ドラフトは新たな選手補強の場として認識され、リーグの勢力図にも影響を与えている。移籍1年目に12勝(2敗)をマークした左腕の大竹は2023年の阪神日本一に大きく貢献、昨年移籍の水谷の覚醒は日本ハム躍進の原動力の1つとなった。また、チームの成績にはつながってはいないが、細川は打線の弱かった中日において完全な主軸となっている。
「現役ドラフトにかかる選手は(戦力的なことだけでなく)編成上の問題が大きい。ブレイクした3選手は前所属球団では出場機会が限られてモチベーション維持も難しかったはず。環境が変わったことで新たな気持ちで野球に取り組むことができ、能力を発揮することに繋がった。素晴らしい制度であり、他選手もどんどん続いて欲しい」(在京球団編成担当)
そんな中、今回の“現役ドラフト組”から新天地で飛躍する可能性が高まっているのが、平沢大河(ロッテ→西武)と鈴木健矢(日本ハム→広島)の2人だという。2024年の現役ドラフトでは合計13人が指名されたが(広島は2巡目も行使)、2人の評価が日増しに高まっている。
西武・平沢は昨シーズン歴史的な低迷を経験し、そこからの浮上を目指すチームのキーマンとして期待がかかる。
「西武の野手は若手が伸び悩んでいる。平沢もロッテ時代は同じような境遇だったが、一軍出場経験は他選手と比較にならないほど多い。きっかけ次第で覚醒してレギュラー定着できる可能性を秘めている」(西武OB)
仙台育英高時代は「超高校級」と言われ、2015年のドラフトでは2球団競合の末にロッテ入り。高卒1年目から23試合に出場し、3年目の2018年には112試合で62安打をマークするなど、早期の定位置確保が期待された。