だが、平沢はそこから伸び悩んだ。2019年シーズン以降は出場機会も減り、昨年は一軍での出場がなしに終わるなどくすぶりが目立っていた。

「攻守に良いものは持っているが、実戦で出せないのはメンタル部分の問題に感じた。練習熱心で真面目だが、神経質というか心配性の部分が大きい。結果が出ない時には眠れなくなるほど考えてしまう時もあったよう。環境が変わり吹っ切ることができれば良いのですが……」(ロッテ関係者)

 昨季は一軍に呼ばれることなく、二軍でも96試合の出場で打率.216(46安打)、2本塁打、19打点と厳しい結果だった。しかし、野手に絶対的なレギュラーが少ない西武において、内外野両方が守れる平沢にはチャンスも多く与えられそうだ。キャンプ、オープン戦からのアピールも目立っているのは良い兆候だ。

 平沢以外では、広島に移籍した鈴木が投手陣再建へ向けて先発ローテーション入りも期待される。

「昨季終盤で失速、Aクラスを逃した原因の1つは投手陣の崩壊。夏場の暑さもあって疲労が蓄積し結果が出せなくなった部分もある。下手投げの鈴木が加われば、バリエーションも増えて他投手の負担も減らせるはず」(広島OB)

 高校(千葉・木更津総合)、社会人(JX-ENEOS)時代はパワー系の横手投げ。2019年ドラフト4位で日本ハム入団、プロ入り3年目にアンダースローに転向後、2023年には6勝を挙げた。昨季は8試合の登板にとどまったが、先発、中継ぎの両方ができるのもチームにとって大きい。

「適性を見定めている段階で短い回を任されているが、今後は先発起用も出てくるはず。状況次第ではローテーションの一角に入るだろう。緩急自在の投球は打者からすると対応が難しいので、5回までなら試合を作れる投手」(日本ハム関係者)

「どんな場面でも対応できるようにしたい」と入団会見で鈴木本人が語るなど、適応能力は高い投手。練習試合やオープン戦では安定感抜群の投球を続けており、「今回の現役ドラフト最大の当たり選手では」という声が聞こえているほどだ。

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