
「思い込み」は誰にでも
性別に対する「無意識の思い込み」(アンコンシャス・バイアス)は、本人の自覚がないまま相手を傷つけたり、自分自身の可能性も狭めたりする可能性があります。
そんな男女の違いによる「偏見」や「思い込み」が、回答者自身の心の中にあるかも聞きました。
「多少あると思う」が半分近い49.4%。「かなりあると思う」の16.4%とあわせると65%を占め、「あまりないと思う」「まったくないと思う」の計31.4%の倍以上になりました。
「現在育休中ですが、4月から復職に際し、当たり前のように時短勤務するのは妻(私)です。産後辛い時期もありましたが、働いていないから家事・育児は妻・母である私がやらなければと自分自身で思い込んでしまっていて、自身にもアンコンシャスバイアスがあります」(30代、女性、会社員)
2人の娘が中高一貫の女子校に進学したという50代の自営業女性は、
「保護者の教育意識からはジェンダーギャップをほぼ感じない。建前としては男女差別やセクシャルハラスメントが駄目だということは浸透し、あからさまな差別やセクシャルハラスメントは減った」
と、つづります。
「しかし、人間の内面の差別意識は簡単には変わらないので、潜在化しており、女性の役員・管理職比率が上がらないとか、SNSでの女性への攻撃、性的客体化された女性表象が減らないといった形で現れていると思う」
保育の専門学校で非常勤講師をしている70代以上の男性によると、「ほとんどの学生は、女らしさ男らしさの押しつけには反対」といいます。しかし、保育実習の現場では「男の子だから」「女の子だから」という男女観の押しつけがあり、学生たちは何も言えずに帰ってくるといいます。
「問題は、自分が決めつけの価値観を持っていて、それが他者を傷つけていることや、男女差別の再生産になっていることに気がつかないことです。それが会社での決めつけと違って、幼稚園児や保育園児に刷り込まれていくのです」