格差の解消は進んだのか

 性別で扱いが変わるといった「ジェンダー格差」の解消が強く言われている今、以前と比べて状況は改善されたのでしょうか。

 アンケートでは、「以前からあったが、かなり減ってきている」が最も多い46.1%。「以前はあったが、全くなくなった」の3.4%とあわせると、“変化”を感じている人が半分近くを占めました。

 一方で、「以前からあり、現在も変わっていない」も2番目に多い32.6%。「さらに多くなった」は2.8%あり、問題の根深さがうかがえます。

「公務員としての在職中、昇給、昇任においてかなり前から男女の格差はなくなったと感じました。職員個々人の意識も変わり、お茶は女性が入れるとかいった習慣もすっかりなくなりました」(60代、女性、アルバイト・パート)
 

 しかし、あからさまな格差は縮小していても、個人の意識ではどうでしょうか。

「職場では『細かい事に気付くのは女性社員であるべき』『飲み会では上司のお酌をするべき』的な雰囲気が、いまだにあります。昔と異なるのは、さすがにそれを言葉にして女性には言わない点です。やはり今の風潮は感じているのでしょう。でもあきらかに『感じる』のです。そしてそれを黙って行った方が、職場の雰囲気もスムーズに行く事もわかっています。
 これは今の若い子よりは、より私のような昭和の時代を経験済みだからこそ感じるのかもしれません」(50代、女性、アルバイト・パート)

「男性が育休を取ることに大っぴらに文句を言う管理職が少なくなった。ただ、陰では言っている場合が多く、法律で決められているから止むを得ないという消極的なスタンスが多いと思う。また、育休を取る男性に対しても同僚は快く思っていないことが、今でもよく見受けられる」(60代、男性、会社員)
 

次のページ 自分にもバイアスは