3月4日の楽天とのオープン戦では1回を三者凡退、1奪三振と見事な投球を見せ、ストレートは全て150キロ前後をマークした。短いイニングながら課題だった制球面は確実に向上しており、ストレートの勢いもアップしているように見えた。高卒2年目だけに無理は禁物だが、この状態を維持できれば一軍でも積極的に起用すべきだろう。

 現役ドラフトで移籍した選手を見ても分かるように、機会があればブレイクする選手は確実に存在している。今年も多くの球団でそんなチャンスをつかむ選手が出てくることを期待したい。(文・西尾典文)

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。
 

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