広島・二俣翔一
広島・二俣翔一
この記事の写真をすべて見る

 開幕まであと1カ月を切ったプロ野球。オープン戦も徐々にレギュラー組の出場が増えてくる時期となり、実績の乏しい若手がアピールできるチャンスは限られている。それでも可能性を感じる選手は少なくないが、そんな中から今年我慢して起用してもらいたいブレイク候補を探ってみたいと思う(オープン戦の成績は3月5日終了時点)。

【写真】プレミア12では打率.357“!本格ブレイク”を予感させているバッターがこちら

 まずセ・リーグで真っ先に挙げたいのが2年目の度会隆輝(DeNA)だ。昨年は開幕から2試合連続でホームランを放つなど華々しいデビューを飾ったものの、徐々に成績を落として5月には登録抹消。6月に一軍昇格を果たして好調を維持した時期もあったがその後は起用も減り、ポストシーズンでも出番はなし。1年目のシーズンは75試合の出場で64安打に終わった。

 それでも二軍では49試合の出場で67安打、打率.347と格の違いを見せている。今年もキャンプから好調をキープ。オープン戦でもここまで2試合で6打数4安打と結果を残している。DeNAの外野陣は実績のある佐野恵太、桑原将志、筒香嘉智、関根大気、昨年成績を伸ばした梶原昂希、蝦名達夫などライバルは非常に多いが、チームの将来を考えると度会のレギュラー定着がもたらすプラス面は極めて大きいはずだ。今年は最低でも100安打、10本塁打以上の成績を残して、一気に定位置獲得を目指してもらいたい。

 セ・リーグで昨シーズン終盤に失速して4位に終わった広島。大きな課題は得点力不足だが、そういう意味でも我慢して起用してもらいたいのが二俣翔一だ。2020年の育成ドラフト1位で捕手として入団。打撃と運動能力の高さを買われて2年目から内野手に転向して支配下登録を勝ち取ると、昨年は一軍でユーティリティプレーヤーとして80試合に出場してプロ初ホームランも放った。今年のキャンプでは打撃面でさらなら成長を見せており、3月5日のDeNAとのオープン戦でも見事なホームランを放っている。

 セカンドは菊池涼介、サードは小園海斗、ショートは矢野雅哉と内野のレギュラーに割って入るのは簡単ではないが、菊池が1年間フル出場するのが難しくなっているため、その際にはセカンドでぜひ起用してもらいたい。また外野も守ることができるのは大きな強みで、広島の外野陣を見ても野間峻祥が出遅れており、新外国人のファビアンもここまで精彩を欠いている。それを考えれば二俣をあらゆるポジションで起用しながら、多くの打席を与えるということも検討すべきだろう。

次のページ 西武、中日、オリックスで我慢して起用したいのは…