3年連続最下位からの巻き返しを狙う中日で名前を挙げたいのが仲地礼亜だ。2022年のドラフト1位で入団し、ルーキーイヤーには9試合に先発して2勝をマークしたが、昨年は内転筋を痛めてわずか1試合の登板に終わった。それでも今年はフォームを二段モーション気味に変更するなどキャンプから順調な調整を続けており、2月24日の広島とのオープン戦では2回を無失点と好投。3月2日に行われた二軍教育リーグのくふうハヤテ戦でも先発で5回を投げて無失点と結果を残した。
中日の先発投手陣は昨年チーム最多のイニングを投げた小笠原慎之介(ナショナルズ)がメジャーに移籍し、その穴を埋める存在は必要不可欠である。ドラフト1位ルーキーの金丸夢斗も昨年痛めた腰の状態を見ながら慎重な調整を続けているだけに、仲地にかかる期待も大きい。怪我などのアクシデントがなければ、しばらくは先発として我慢して起用してもらいたい。
パ・リーグでは楽天のドラフト1位ルーキーである宗山塁に注目が集まっているが、もう一人我慢して起用してほしい選手として渡部聖弥(西武)を挙げたい。大阪商業大では1年春からレギュラーとなり、2年秋にはリーグ記録となるシーズン5本塁打を放つと、その後も結果を残し続けてリーグタイ記録となる通算119安打をマークするなど数々のタイトルを受賞した。全国大会や大学日本代表でも活躍しており、2位まで残っていたのが不思議な選手である。
春季キャンプでも一軍のメンバーとして完走。練習試合などの実戦でも多く起用されると、オープン戦初戦となった3月5日の日本ハムと戦でも5番で起用されて山崎福也からヒットを放つなどアピールしている。たくましい体格はプロでも見劣りせず、大学4年間試合に出続けた体の強さは大きな魅力だ。また打撃だけでなく、俊足と強肩を持ち合わせているというのも強み。西武の外野陣は昨年1人も規定打席に到達しておらず、長打力のある選手が不足しているだけに、思い切って開幕から渡部を起用することも十分考えられるだろう。
パ・リーグの投手で面白い存在になりそうなのが2年目の東松快征(オリックス)だ。享栄では150キロを超えるスピードが話題となり、2023年のドラフト3位で入団。昨年は二軍で7試合に登板して防御率15.43と結果を残すことはできなかったが、イニング数を上回る三振を奪い、大器の片鱗は見せた。このキャンプは一軍に抜擢されると、ボールを受けた森友哉もその素材を絶賛した。