そうなってくるとキーマンとなりそうなのは二遊間の新たなレギュラー候補である。長打力のある2年目の広瀬隆太、昨シーズン途中で加入したダウンズ、抜群のスピードと安定したスローイングが光るルーキーの庄子雄大などが戦力となるかで、チームの成績も大きく変わってくることになりそうだ。

 一方の日本ハムはオフの補強こそFA中日から福谷浩司を獲得したくらいで、あまり大きな動きはなかったが、上積みが期待できる選手が多いというのが大きな強みと言える。投手では新庄監督が早々に開幕投手に指名した金村尚真にかかる期待が大きい。ルーキーイヤーの2023年は故障もあってわずか4試合の登板に終わったが、昨年は7勝をマーク。防御率も2.38と1年を通じて安定した投球を見せた。

 また、ともに育成出身の福島蓮と柳川大晟の2人も着実な成長を見せており、2年目の細野晴希も成長ぶりをアピールしている。既に実績のある投手が多い中で、彼らが戦力になってくれば、相当厚みのある投手陣となる可能性は高い。昨年のドラフトで将来性の高い投手の獲得に振り切ったのも、現有戦力の底上げができているという手応えがあったからと言えそうだ。

 野手陣も昨年はレイエス(25本)、万波中正(18本)、清宮幸太郎(15本)、マルティネス(13本)、郡司裕也(12本)と5人が二桁本塁打をクリア。これは12球団でトップの数字である。また水谷瞬も昨年は9本塁打を放つなどブレイクしており、不振だった野村佑希も控えている。この中で外国人選手の2人を除く5人が25歳前後とまだまだここから成績を上げる可能性も高い。

 二遊間はソフトバンクと同様に流動的だが、昨年水野達稀が大きく成績を伸ばしたのはプラス要因だ。ソフトバンクも近藤健介、山川穂高、栗原陵矢など中軸は強力だが、柳田悠岐が年々成績を落としていることを考えると、打線の厚みという意味では日本ハムも引けを取らないと言えるだろう。

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“経験値”の差を新庄監督の手腕で埋められるか?