
昨年はソフトバンクが圧倒的な強さで4年ぶりの優勝を果たしたパ・リーグ。今年も優勝候補の一番手として推す声は多いが、その一方で連覇に向けて不安要素があることも事実だ。そしてそんなソフトバンクの対抗馬として真っ先に名前が挙がるのが日本ハムである。一昨年まで5年連続Bクラス、2年連続最下位と低迷していたが、昨年は一気に2位へ浮上。今年は9年ぶりとなるリーグ優勝への期待も高まっている。
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果たしてこの2チームの力関係はどう変化しているのか。また優勝争いのキーマンになる選手は誰なのか。オフとキャンプの動向から探ってみたいと思う。
まず今年のソフトバンクで最大の焦点と言えるのがフリーエージェント(FA)で巨人に移籍した甲斐拓也の後釜問題だ。甲斐は昨年まで7年連続で100試合以上にスタメン出場するなど不動の正捕手としてプレーしており、その穴を埋めるのは簡単ではない。ちなみに昨年、甲斐以外にスタメンで出場した捕手は海野隆司(38試合)と谷川原健太(3試合)の2人だけである。
まだ若くて打撃にも力がある谷川原にかかる期待は大きいが、スタメンで出場した2月23日のオリックスとのオープン戦と、3月1日の西武との球春みやざきベースボールゲームズではいずれも大量失点を喫してチームも敗れている。一方の海野は3月2日のロッテ戦(球春みやざきベースボールゲームズ)で5回まで3人の投手とバッテリーを組んで無失点に抑え、打っても2打数2安打3打点の活躍を見せた。現時点では海野が一歩リードという印象を受ける。ただキャッチャーは経験がモノを言うポジションであり、シーズンの勝負所で大きな弱点となることも考えられるだろう。
ソフトバンクの野手でもう一つ気がかりなポジションが二遊間だ。ショートのレギュラーである今宮健太がキャンプ中に左足のふくらはぎを痛めて離脱。いまだに実戦復帰を果たせない状況である。セカンドは牧原大成が有力だが、実績のある三森大貴がトレードでDeNAに移籍して退団となった。センターラインをどう固定していくかにしばらく頭を悩ませる可能性も高いだろう。