N高横浜キャンパス長の長谷川翼さんは、N高の教育方針のひとつに、「生徒が社会で活躍できる武器を得て自立した大人になる」があると話す。
「不登校を経験した生徒も一定数いますが、ビジネスを学びたいと進学する生徒、プログラミングを極めたい生徒など多様な背景の生徒がいます。同じような趣向を持った子と出会えるし、全く違う環境の子とも触れ合える。学習面でも小学校レベルから復習する子もいれば東大を目指す子もいますが、同じグループで課題について話し合い、尊重し合っています。そうした経験の中で自立する力を身に付けてほしいと思っています」
「不登校」の言葉がない
そして、N高には「不登校」という言葉がないとも。
「不登校を経験した生徒がつらいのは、不登校というレッテルを貼られることだと思う。不登校を特別視するようなカルチャーもありません」
もちろん、通信制高校が合っているか、数ある通信制のなかでどこがいいかは人それぞれだ。ただ、全日制に限らない多様な選択肢がある。先述の大杉さんはこう話した。
「いま学校に通えていなくても、いろいろなことをいまからでも学べるし、新しい価値観も見つかると思う。悩んだり迷ったりしている状態も悪く思わなくていいのかな」
(編集部・川口穣、ライター・大楽眞衣子)
※AERA 2025年3月3日号
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