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不登校の生徒が高校に進学する際、自分に合う学び方を選べるようになった。通信制高校が増えるなど、選択肢も増えてきた。AERA 2025年3月3日号より。
【写真】中学で不登校を経験した「キズキ共育塾の学習カウンセラー・泉さん」はこちら
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不登校の生徒が中学校を卒業後、取り得る進路は実は多様だ。大半の生徒は高校に進学するが、一口に高校といっても様々な形態がある。全国的な調査ではないが、東京都練馬区教育委員会が2021年度から22年度にかけて実施した「練馬区不登校に関する実態調査」によると、区立中学3年で不登校を経験した生徒の進路は全日制高校が16.0%、定時制高校が38.8%、通信制高校が35.6%(生徒本人による回答)だった。特別支援学校やその他の学校に進学する生徒もいる。
不登校生徒などを対象とした個別指導を行う塾「キズキ共育塾」の学習カウンセラー・泉友さんは言う。
「不登校の生徒が進学する際の選択肢は広がっています。それは単に種類が増えたということでなく、様々な道があると生徒にも保護者にも伝わって、現実的な選択肢として自分に合うものを探しやすくなっています」
定時制も夜だけでない
泉さん自身も不登校を経験したひとり。中1の夏休みにインターネットにハマって生活リズムが崩れ、2学期以降はほとんど学校に通えなくなった。卒業後は「次こそ頑張ろう」と意気込み、全日制高校に進む。精力的に活動したが、すぐ不調に襲われた。「充実した高校生活にしなければと無理をした」という。ゴールデンウィーク明けには休みがちになり、結局中退。その後、高卒認定試験に合格して大学に進学した。
泉さんは高校進学時、全日制以外は検討しなかった。当時は定時制や通信制を「行き先がないときのやむを得ない選択肢」と考えていたのだという。だが、時代は変わった。全日制高校のなかには不登校などで学力の遅れがある生徒の支援に力を入れる公立高もある。夜学ぶイメージが強かった定時制には、午前・午後・夜間の3部制で不登校経験者の支援に力を入れるチャレンジスクール(東京)のような形態も増えている。ユニークな取り組みで注目される通信制も少なくない。泉さんは続ける。