投手から打者に転向して成功を収めた糸井嘉男

右肘の完治まで時間が必要ならば…

 西は23歳。今回違和感を覚えた右肘の完治まで時間を要した場合に、どのような決断を下すか。

「軽症で復帰してほしいですが、トミー・ジョン手術を受けることになるとなれば、手術の必要がない野手転向は現実的な選択肢になります。もちろん、本人の意向が最優先されるべきで、投手で勝負したい気持ちがあるなら貫いたほうがいい。ただ、野手としての可能性に腹をくくるなら早めに決断したほうがいいでしょう」(前出の阪神OB)

 仮に野手転向したとしても、いばらの道が待ち受けていることは間違いない。外野陣は近本光司、森下翔太のほか、前川右京、井上広大、井坪陽生と若手成長株がそろっている。定位置をつかむためには打撃、守備、走塁とすべての面で鍛え上げなければ追いつかない。

 投手として大輪の花を咲かせるか。それとも野手転向を決断してバットマンとして勝負するか。あるいは投打の二刀流で活躍する道もあるかもしれない。いずれも試練が待っているだろうが、果たして――。

(今川秀悟)

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