「結婚後初めてのお盆を迎えた夜、主人はマージャンに出かけていました。2階の和室で寝ようとしたとき、襖が開いて軍服を着て、髭の生えた軍人が入ってきました。主人は父親を戦争で亡くしていました。
軍人は静かな声で『あんたが◯◯さんか』とつぶやき、暫く私を見つめていましたが、静かに消えました。私は恐怖心など全く抱かず、朝を迎えました。義母や主人にこの体験をお話しましたが、真剣な態度で聞いてくれました。
沖縄の摩文仁で戦死した義父の遺骨は有りませんが、私は毎朝、義父に仏壇の前で成仏できるようにと語りかけています。この話は誰もが信じてくれます。もう一度お会いしたいです」(70代以上、女性)
「高校生の時、家に帰ったら線香の香りがして、翌日家に帰ったら、線香の香りが昨日より強く、母に『線香の香りがする』と言いました。母は仏壇を確認。妹も確認しましたが、二人とも匂わないというのです。こんなにするのにと思いながら寝たのですが、夜中目が覚めたら目の前に白いモヤみたいのが見えて、同時に「おじいちゃん」と思いました。
目の覚めた日は、おじいちゃんの命日でした。
高校生になってから部活で忙しくて命日にお参りすることが減っていました。朝、学校へ行く前にお仏壇に手を合わせて、おじいちゃんに謝ってから登校しました。
おじいちゃんは私が保育園児だった時に亡くなりましたが、おじいちゃんが自宅で倒れた時間に保育園の先生が『おじいちゃんおむかえに来たよ』と言って、帰りの仕度をして一緒に玄関へ行きました。そこにはもちろんおじいちゃんはいなく、先生が周りを探してくれました」(50代、女性)
「畳の上でうたた寝をしていたら、金縛りにあった。右手に柔らかいものが触れ、しばらくまとわりつくようにじゃれていた。怖いというより、とてもやさしい気持ちになった。あれは間違いなく子猫の感触だった。体が動くようになったらその気配はなくなった。
振り返ると、それは1年前に猫の子を拾った日付だった。10日くらいアパートでかくまってめんどうを見て、里子に出したのだが、1歳になる前に車にひかれて死んでしまったと聞いた。その子が会いに来てくれたのだと思う」(60代、女性)
「小学2年生の時に1人で遊んでいると、玄関からいつの間にか叔父さんが入ってきて、自分に笑いかけた後、奥の部屋にいた母と父の周りを回りながら、顔を覗き込んだりしていた。また自分の方にやって来たので、母に『叔父さんが来てるよ!』と言おうとしたが、叔父さんに止められて、また出て行った。
そのすぐ後に母に『今、おじさんが来てたよ』って言った瞬間に電話が鳴り、その叔父さんが今、工事現場で事故に遭い、死亡したという連絡が入った」(60代、男性)
「母の1番上の姉が亡くなったとき、お通夜が終わって母の2番目の姉のお家に泊まるために移動しました。みんな疲れてお茶でも飲もうかと準備したり、座ってゆっくりしていた時に、玄関の方から玄関扉(引き戸)のガラガラという開く音と線香の匂いがしました。
それを聞いた家主(2番目の姉の旦那)が、人の家に来て鍵もかけないのかと怒り始めました。私や周りの人も確かに聞こえたので、従兄弟が鍵を閉めてくると言って玄関に見に行ったんです。でも従兄弟は、鍵はかかってたって言ってて。
そもそも、家主は補聴器をつけるレベルの耳が悪い方なんですが、そのとき補聴器をつけてなかったことが判明(聞こえるわけないんです)。叔母が挨拶に来たのかなっていうところで落ち着きました」(40代、女性)