侍ジャパンで登板した高橋宏斗(2023年3月)

低迷中の球団はポスティングを認めない?

 ただ、球団の許可が得られなければポスティングシステムでのメジャー移籍は実現できない。中日は3年連続最下位に低迷し、高橋は巻き返しに不可欠な絶対的エースだ。1軍でプレーしてまだ3年であることを考えると、球団が早期に容認することは考えづらい。

 目安となると考えられるのが、昨オフにポスティングシステムで中日からナショナルズに移籍した小笠原慎之介だ。高橋と同様に高卒ドラフト1位で入団した小笠原は、プロ1年目から1軍のマウンドに上がり、6年目の21年から先発ローテーションに定着して4年連続規定投球回数をクリアした27歳のタイミングで球団がメジャー挑戦を認めた。

「高橋は昨年初めて2ケタ勝利を挙げたことを考えると、あと数年はエースとして日本球界を盛り上げてほしい。2年後の27年8月で25歳になるので、そのオフにポスティングシステムでメジャー挑戦する形がイメージしやすいですね」(中日を取材するスポーツ紙記者)

 高橋がいつメジャーに挑戦するかが、これから注目されることになるだろう。だが、まずは中日のエースとしてチームに貢献することをファンは望んでいるはずだ。山本由伸のように日本で絶対的な地位を築いてから海を渡っても、決して遅くない。

(今川秀悟)

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