
「25歳を待たないメジャー挑戦が増える」
在京球団の編成担当は「これから大谷や佐々木のように25歳を待たずにメジャー挑戦を希望する選手が増えるのでは」と懸念する。
「最近のドラフトで入団した選手たちは『将来はメジャーで活躍することが目標』と堂々と公言している。高卒の早い時期から1軍で活躍するようになれば、1年でも早くメジャーでプレーしたいと考えるのが自然です。ポスティングシステムを容認するかは球団の判断ですが、選手側が『どうしても行きたい』と態度を硬化させたら、無理やり残留させてもモチベーションを上げられない。佐々木のように強行突破するケースが増えるでしょう」
大リーグのサイトが特集記事を掲載
日本人選手で次に「25歳ルール」の適用が注目されるのは、メジャーのスカウトが注目する現在22歳の投手、中日の高橋宏斗だ。昨年は12勝4敗、防御率1.38と圧巻の数字を残し、最優秀防御率のタイトルを獲得。マウンド上で見せるパフォーマンスだけでなく、肩、肘に大きな故障歴がないことも大きな魅力だ。高卒2年目の22年に116回2/3を投げると、23年に146回、昨年も143回2/3と2年連続規定投球回数に到達している。
侍ジャパンでも23年のWBCで決勝の米国戦で救援登板し、マイク・トラウト、ポール・ゴールドシュミットから連続三振を奪う快投を見せ、米国メディアの注目度が高まった。昨年11月の「プレミア12」スーパーラウンドの米国戦では、先発で4回2安打無失点に抑え、自己最速タイの158キロを計測して8三振を奪っている。
大リーグ公式サイトはプレミア12に合わせて高橋の特集記事を掲載し、「佐々木朗希がメジャー球団と契約することになり、スカウト陣は次の大物を探し始めている。高橋宏斗は見過ごせない存在になる」と評し、「侍ジャパンでも最高の若手投手としての地位を完全に確立した」と絶賛している。
「高橋は総合力で言えば、現時点で佐々木朗希より上です。球が速いだけでなく、変化球の質も高く、長いイニングを投げられるタフさも兼ね備えている。メジャー挑戦となれば、争奪戦になることは間違いありません。ドジャースは当然狙うでしょう。高橋が尊敬する山本由伸が在籍していることが大きなアドバンテージになる。大谷、山本、佐々木、高橋の日本人投手4人で先発ローテーションを結成する可能性も十分にあります」(メジャーリーガーの代理人)