今季から西武を指揮する西口文也監督
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 昨シーズン、歴史的な低迷を経験した西武・西口文也監督は就任1年目から試練の年になりそうだ。オフの補強も想像以上に進まず、大きな話題はグラウンド外のことだった。複数年の契約だというものの、結果次第では早々に監督交代という可能性も否定できない状態だという。

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 西武は今季のスローガンとして「ALL ONE」を掲げ、一丸となって名門復活を目指している。「昨年の悔しさを胸に秘め、1年間戦っていって欲しいということを選手に伝えていきたい」と西口監督は1月6日のスローガン発表時に語った。しかしキャンプインを迎えても不安が消える気配はない。

「チーム編成の過渡期に入っており若手の伸び代に期待している部分が大きい。しかし満足に成長しておらず、結果的に昨年は惨敗のシーズンに終わった。今季も同様の結果が繰り返される可能性が否定できない」(西武OB)

 若手の不甲斐なさに加え、投手陣でもエース・高橋光成が勝ち星なしに終わるなど、全ての歯車が狂った。結果、球団ワーストの91敗で最下位に沈む屈辱を味わった。

「高橋の不調も誤算だが、低迷の原因が打線の弱さにあるのは明白。オフに攻撃面での大型補強を行うと思われたが、目立った動きがなかったのは意外だった。余計なお世話かもしれないが、西口監督は今から悩んでいると思う」(在京球団編成担当)

 オフには阪神からFA宣言した大山悠輔、原口文仁(ともにFAで残留)らの獲得が噂されたが叶わなかった。得点力向上のための目立った補強は、昨季オリックスで15本塁打を放ったレアンドロ・セデーニョくらいだ。

「源田壮亮が女性問題を起こし自らレギュラー確定を撤回したので、野手のスタメンを組み上げるのも難しい。投手陣は開幕投手・今井達也と抑え・平良海馬が早々に内定するなど高い水準を誇るが、昨年同様に苦しい戦いになりそうな気配が漂う」(スポーツ新聞野球担当デスク)

 チームはドン底状態だが、主催試合の観客動員数はコロナ禍以降は順調に伸びており、ファンの熱さは変わらない。また、西武グループの株主総会では毎年のように球団の話も出るなど、周囲の期待は大きい。

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西口政権も“短命”の可能性?