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東京都議会の自民党会派「都議会自民党」の裏金問題で、臨時会が10日に開かれた。不記載が見つかった自民党会派の議長に替わり、新たな議長が決まった。ただ、問題の真相が究明されるのかは不透明だ。議員らに話を聞くと、忘年会などでカネがかかるといい、自前で賄うには限界があるという。その点については野党議員でさえ、「気持ちはわかる」と話す。カネのかかる“政治”を続ける限り、今後も別の方法で捻出する可能性があるのでは?
「現在、都議会に対して都民のみなさまから大変厳しい目が向けられております。都議会の使命と責任を強く自覚し、都民のみなさまの信頼を回復できるよう尽力してまいります」
10日の臨時会で、新たな議長に選ばれた増子博樹議員(都民ファーストの会)は、就任のあいさつでそう述べた。
条例を作って厳格化を
前議長の宇田川聡史氏が責任を取る形で議長の辞任の意向を示した。12日には非公開で議会運営委員会が開かれ、自民以外の会派から真相解明に向けた委員会の設置の案が出た。19日の本会議で採決される。
最大野党の都議会立憲民主党は1月24日、政治倫理プロジェクトを発足させた。チームの事務局長である都議の関口健太郎氏は取材に対し、こう話した。
「国会でいう政治倫理審査会を都議会で開くべきだ。誰がなぜいつから裏金作りを始めたのか、明らかになっていない。真相解明が最優先だ。できれば、条例まで制定して同じようなことがないよう厳格化したい」
今回、問題となったのは、都議会自民党の19年と22年の政治資金パーティー券のノルマ超過分だった。パーティー券販売のノルマは、都議1人あたり50枚、金額にして100万円。それ以上の100枚までは全額を、101枚以上については半額を会派に納めずに「中抜き」し、約3500万円を収支報告書に記載しなかった。東京地検特捜部は捜査に乗り出し、都議会自民党の会計担当者を政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で略式起訴(その後、罰金100万円、公民権停止3年の略式命令)し、終息した。