不記載で名前が公表された元都議の男性は、AERA dot.の取材に、

「私は区議の経験もありましたが、都議になってから(政治資金パーティー券の)こういった余剰分をプールしていました。具体的にいつからかは覚えていません。なんとなく、会派の暗黙の了解でそういうふうに(裏金作り)していたと思う」

 と話した。

政治資金収支報告書(イメージです)

 なぜ、プールしなければならないのか。元都議によれば、日々の政治活動での大きい支出が原因だという。

「支部のお金だけでは足りなくなってしまって。その分は自分の“懐”から出しているわけです。今の時期だったら、忘年会や新年会。ボーナスが出たとしても、200万から300万とか飛んでいくのです。その部分に、”幹部”が配慮してくれました。決して余剰分を自分のポケットに入れたり、娯楽に使ったりしたわけではないです。記入しなかった分は、あくまで個人的に支出した分と同額にしています。もちろん反省はしています。収支報告書は修正しました」

「うまくやっておく」と言われた

 話に出てきた“幹部”とは、だれなのか聞くと、

「昔のことなのでわかりません。ただ、幹部に『こっちでうまくやっておくから』と言われ、従っただけです」

 というだけだった。

 とはいえ、自身に関する政治収支報告書をチェックしなければならないはず。問いに対して元都議は、

「そこまではだいぶ前の話だから。それ以上のことは正直言ってわからない。ただ、都議になって裏金作りは起きた。区議のときには一切なかった」

 と述べた。

 自民党が行っていた裏金問題。元都議の証言のように、そこまでしてお金がかかるのだろうか。

 ある現職の都議にも話を聞くと、

「忘年会や新年会は計100〜150カ所に顔を出します。多い人は200カ所になります。土日が多く、一日に10件回ることもあります。町内会の忘年会であれば、一回につき5千円が相場。業界団体になると、1万〜1万5千円になります」

 と語った。

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政治家が裏金を作る目的に迫る