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男女4人組のバンドの緑黄色社会、通称“リョクシャカ”。「Mela!」(2020年)、「キャラクター」(2022年)、「サマータイムシンデレラ」(2023年)など毎年のようにヒット曲を生み出し、「NHK紅白歌合戦」にも3年連続(2022~24年)で出演。2023年から2024年にかけて初のアリーナツアーを成功させるなど、J-POPシーンで大きな成果を収めてきた。
2018年のメジャーデビューから7年目を迎えた4人は、「国民的なバンドになる」という目標に確実に近づいているように見える。しかしボーカルの長屋晴子は、「理想が実現している手ごたえはまだないですね」という。
長屋晴子(V,G):たしかに“国民的バンドになりたい”と言ってたんですけど、その中身ははっきりしてなくて、空っぽの状態からスタートしたバンドなんですよ。最初は“大きくなりたい”“楽しくバンドを続けたい”くらいだったんですけど、活動を続けるなかでいろいろなものを吸収して、バンドとしての武器が増えてきた感じがあって。いまも具体的なゴールは見えていないのですが、それを追いかけ続けること自体に意味があるのかなと思っています。
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小林壱誓(G):最初から“こういうバンドになりたい”と思っていたわけではなくて、楽曲を制作し続ける、活動を続けることで、オリジナリティを作れてきたのかなと。大事なのはチャレンジを続けて、変化し続けること。僕ら自身も飽き性だし、時代に置いていかれるのが怖いという気持ちもありますね。
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新たなトライを繰り返し、時代に即したポップスを提示する。ニューアルバム『Channel U』にも、そんな4人のスタンスがはっきりと反映されている。「サマータイムシンデレラ」(ドラマ「真夏のシンデレラ」主題歌)、「花になって」(TVアニメ「薬屋のひとりごと」オープニングテーマ)、「馬鹿の一つ覚え」(映画「六人の嘘つきな大学生」主題歌)など耳馴染みのあるシングル曲を収めた本作。いちばんの特長は、“メンバー全員、作曲できる”という強みを生かしたバラエティに富んだ音楽性だ。