広島でチームメイトになった二人は、一緒に買い物に行ったときに「オレたち誕生日が一緒だよな」と意気投合。安部が「オレは北九州(福岡県北九州市)で生まれたんだ」と言うと、岡山県出身の野村も母親の実家がある北九州で生まれたことが判明する。

「ひょっとしたら、同じ病院では?」と思い当たり、お互い親に電話で確認すると、なんと、二人揃って同じ日に同じ産婦人科で生まれていたことがわかった。しかも、産声を上げたのはともに朝方で、1時間くらいしか違わなかったという。

 誕生日も生まれた病院も同じ二人が揃って野球選手になり、23年後に同じ球団でチームメイトになるというとてつもない偶然は、確率的にも天文学的数字になるはずだ。

 安部は22年、野村も昨季限りで現役を引退したが、チームメイトという枠を超えた二人の友情は、これからも長く続いていくことだろう。(文・久保田龍雄)

同じ誕生日というだけでなく、なんと同じ病院でほぼ同時刻に生まれていたという野村祐輔(左)と安部友裕(写真:広島カープ提供)
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