巨人の入団会見で笑顔を見せる田中将大
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 新天地の巨人で順調な調整ぶりを見せているのが、楽天から移籍した田中将大だ。キャンプ地の宮崎では久保康生巡回投手コーチとマンツーマンで投球フォームを見直し、2月3日にはブルペン投球も披露した。

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「まだまだこれから状態を上げていく段階ですが、肩や肘に不安がないので思い切り腕が振れている。昨年は右ひじのクリーニング手術を受けてリハビリからのスタートだったので、コンディションがまったく違います。このまま順調に仕上げていけば、開幕の先発ローテーションに入る可能性は十分にあります」(スポーツ紙記者)

 体調に不安がないことから、気持ちも前向きになっているのだろう。キャンプ前の自主トレ中から、田中の表情が明るかったのが印象的だった。楽天時代から取材するテレビ関係者はこう指摘する。

「楽天では球団のレジェンドだったので、看板選手として背負っているものが大きかった。責任感が強い投手なので、2021年に日本球界に復帰して3年連続シーズン負け越しと苦しいシーズンが続き、精神的余裕をなかなか持てなかったと思います。あと、楽天は若手の選手たちが『田中さんは別格』と少し身構えている部分が正直ありましたね。これは仕方ないですが、フレンドリーになりづらい。でも巨人は違う。長野久義や同学年の坂本勇人丸佳浩とベテランのスター選手がいますし、自分一人が背負う必要がない。毎年のように他球団のビッグネームが入ってきますから、若手の選手たちはその環境に慣れていて、積極的に若手のほうからベテラン選手にも話しかけています。他球団からの移籍組が溶け込みやすい球団なので、田中はやりやすいでしょう」

 2013年、田中は24勝0敗という世界ギネス記録(開幕から24連勝)を打ち立て、楽天を日本一に押し上げた。翌14年、ポスティングシステムを行使してヤンキースに移籍し、ヤンキースでも6年連続2けた勝利をあげるなど78勝をマーク。21年に田中が復帰して楽天ファンは2度目の優勝を夢見たはずだが、結果は伴わなかった。巨人に移籍したことで、田中も気が楽になったところはあるだろう。

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