阪神時代の下柳剛

最年長37歳の最多勝投手がお手本に

 お手本になりそうなキャリアの投手がいる。ダイエー(現ソフトバンク)、日本ハム阪神を渡り歩き、通算129勝22セーブをマークした下柳剛だ。阪神に在籍していた37歳の05年に自己最多の15勝をマークし、自身初の最多勝のタイトルを史上最年長で獲得した。この年、下柳が完投したのは1試合のみで、規定投球回にも達しなかった。5、6回までをきっちり抑えて降板すると、7回以降はジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之と「JFK」と形容された強力救援陣が抑えて白星を積み重ね、リーグ優勝に貢献した。

 今年37歳を迎える田中も、全盛期のような完投能力はないかもしれないが、打者を抑える術は知っている。中盤までリードを保てば、盤石な救援陣が控えている。通算200勝を通過点にして、さらなる勝ち星の積み重ねを期待したい。

(今川秀悟)

▼▼▼AERA最新号はこちら▼▼▼