セ・リーグでは中日の梅津晃大、岩嵜翔の2人の復活にかかる期待も大きい。梅津はルーキーイヤーの2019年に6試合に先発して4勝をマーク。しかしその後は故障が続き2022年3月にトミー・ジョン手術を受けた。2023年5月に実戦復帰し、8月には一軍でも登板。昨年はキャリア最多となる14試合に先発したものの2勝8敗と大きく負け越す結果に終わった。それでもストレートは常時150キロを超えるスピードを取り戻しており、140キロを超えるフォークも高い空振り率を誇る。制球面が改善してくれば、一気にローテーションの柱となることも期待できるだろう。
一方の岩嵜は2017年に最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得するなどソフトバンクで活躍。2021年オフにフリーエージェント(FA)で移籍した又吉克樹の人的補償で中日に入団。しかし移籍1年目の2022年シーズン開幕直後に肘を痛めると、9月にトミー・ジョン手術を受けて長期離脱となり、オフには育成契約となった。翌2023年はリハビリに費やし、昨年6月に支配下に昇格。復帰1年目は21試合に登板して1ホールドをマークするも、防御率5.85と安定感を欠く内容に終わった。それでも8月3日のカープ戦では自己最速となる158キロをマークするなど、ベテランとなってもそのスピードは落ちるどころかむしろアップしている印象を受ける。今年は抑えのライデル・マルティネスが巨人に移籍しただけに、セットアッパーとして完全復活に期待したい。
パ・リーグで復活の期待が高いのが椋木蓮(オリックス)だ。東北福祉大時代から150キロを超えるスピードをマークする本格派右腕として注目を集め、2021年のドラフト1位で入団。ルーキーイヤーには2試合目の登板となった7月の日本ハム戦で9回2死までノーヒットという快投を見せるなど2勝をマークしている。しかしこの年のシーズン終盤に肘を痛めると、9月にはトミー・ジョン手術を受けてオフには早くも育成契約となって話題となった。