翌2023年はリハビリ生活を送り、2024年3月に実戦復帰。開幕前には支配下に復帰すると、リリーフを中心に10試合に登板して1勝1敗、防御率5.54という成績に終わった。数字だけを見ると芳しくないが、リリーフで登板した9試合中7試合は無失点に抑えており、投球内容は決して悪くない。13イニングを投げて与四球わずか2と制球力の高さも光る。今年は先発ローテーション争いに加わる可能性も高いだろう。
復帰まで長い時間を要するトミー・ジョン手術だが、冒頭で触れた才木以外にも床田寛樹(広島)、東克樹(DeNA)、山崎伊織(巨人)など復帰後にスケールアップを果たしている選手も少なくない。それだけに今回紹介した選手も、今シーズンは大きく成績を伸ばしてくれることを期待したい。(文・西尾典文)
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。