尿道をギュッと引き締める イラスト/石山綾子
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 排尿を我慢する時のように尿道をギュッと引き締めてみる。コツがわかったら目標一日45回。どこにいてもできる簡単なトレーニングの繰り返しが尿トラブル解消の秘訣なのだという。泌尿器の問題を専門とする日本大学医学部教授・高橋悟氏の著書「頻尿・尿もれ 自力でできるリセット法」(アスコム)から一部抜粋し、トレーニング法を紹介する。

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 自分でできるトレーニング方法をお伝えしましょう。

 2つのトレーニングをご紹介しますが、1つめの方法は、こんな人に効果的です。

・我慢できない強い尿意が急に起こる人

・トイレが近い人

・お腹に力が入るともれる人

・前立腺の手術を受けた後に、もれるようになった男性

・排尿の後で「ジワッ」となる男性

・出産後、尿がもれるようになった女性

 このトレーニングの方法は、「骨盤底筋トレーニング」といいます。

 「え? また、骨盤底筋トレーニング?」と思われた人も多いでしょう。

 尿トラブルの本を見れば、必ずと言っていいほど、骨盤底筋トレーニングのやり方が載っています。また、泌尿器科にかかれば、そこでも骨盤底筋トレーニングを指導されます。そんな〝普通のトレーニング〟を、今ここで改めてお伝えするのには、2つ理由があります。

① やり方が合っているのかわかりにくく、続ける意欲が低下しがちだから

② やり方にこだわりすぎて、肝心なことができていないから

ということです。

 まず①についてですが、「腟、肛門、尿道を締めて、引き上げます。これをくり返します」と、骨盤底筋トレーニングのやり方は、概ねこのような感じで書かれています。

 でも、筋トレやストレッチのやり方と違って、お手本となる動きが目に見えませんよね。だから、自分のやり方が合っているのか、ほかの人と同じようにできているのかわかりません。

 そもそも〝引き上げる〟感覚が、わからないかもしれません。まして、男性にとっては、「腟を締めて、引き上げる」と言われても……という感じでしょう。「ちゃんとできている」感じがしないと、続ける気持ちになりにくいものです。続けなければ当然、効果も出ません。

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トレーニングは回数がもっとも重要