え? そんなことで治るの? と思うかもしれませんが、泌尿器科の権威もお墨付きを与えている、れっきとした効果的なトレーニングです。

 膀胱がまだいっぱいになっていないのに、勝手に縮み出す過活動膀胱の人は、「尿意を我慢する」ことが難しくなっています。でも実際には尿は十分にたまっていないのですから、膀胱にはまだ余力があるはずです。ですから「尿意を我慢できるようになる」トレーニングが有効なのです。

 膀胱トレーニングをしていると、膀胱に水風船のような柔軟性が戻り、膀胱にためられる尿の量が増え、我慢できる時間が長くなります。その結果、しょっちゅうトイレに行く「頻尿」も解消されます。

 ただし、膀胱炎の人がやると症状が悪化することがあります。そのような泌尿器科系の病気がないことが、膀胱トレーニングの前提です。

【膀胱トレーニングのやり方】

①「トイレに行きたい!」と感じたときが、トレーニングの始まりです。

② トイレに直行せず、尿を我慢してください。尿道を引き締めるイメージです。

③ 最初の目標は3分間。3分間我慢することを目標にしてください。尿意を感じたら、気持ちをリラックスさせたり、気を紛らわせたりします。

 3分間我慢することができるようになったら、少しずつ我慢する時間を延ばします。3分を4分、4分を5分と、我慢する時間を長くしていくのです。尿意を感じても、音楽に耳を傾けてリラックスしたり、誰かとおしゃべりをして気を紛らわせたりして、我慢する時間ができるだけ長くなるようにしましょう。

 最終的には、トイレに行く間隔が3〜4時間になることを目指してください。排尿間隔が3〜4時間になれば、もはや「頻尿」ではありません。
 

目的は「膀胱にためられる尿を増やす」こと

 このように、膀胱トレーニングはとてもシンプルです。突然「トイレに行きたい! 我慢できない」という気持ちが湧き上がったときに、トイレに駆け込むのではなく、我慢するだけです。

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映画館で真ん中の席に座れるようになる