膀胱と尿道は〝連動〟しています。尿道が緩んで拡がれば、膀胱は引き締まって縮んでいきます。逆に尿道が締まれば、膀胱は緩んで拡がります。

 つまり、あなたがトイレを我慢して尿道括約筋が締まれば、自動的に膀胱は緩んで拡がり、ためられる尿の量が少し増えるのです。そうなると尿意が和らいで、トイレを先延ばしにできます。

 最初は、自宅にいるときに行うとよいでしょう。我慢できなければ、無理せずにトイレに行ってかまいません。少しずつ時間を延ばせれば大丈夫です。徐々に我慢できるようになったら、外出先でも、トイレに行きたいと思うたびに行うようにします。

 効果が出るまでの期間は、骨盤底筋トレーニングと同じで2〜3か月ぐらいです。膀胱トレーニングをやってみると、多くの方が「すぐにトイレに行かなくても意外と大丈夫だとわかった」とおっしゃいます。

 これは、「トイレに行きたい気がする→すぐに行かなくても問題ない」という安心感につながります。この安心感によっても、トイレに行く回数は減ってきます。

「次のトイレ休憩まで1時間半か。それなら大丈夫だ」

「映画の平均は2時間弱。だったら真ん中の席に座れる」

という自信も芽生えるでしょう。これだけでも生活のストレスがずいぶん軽減されます。

 膀胱トレーニングと、骨盤底筋トレーニングは車の両輪です。両方のトレーニングを毎日やることが理想です。相乗効果で、治りが早くなりますよ。

 また、「排尿日誌」をつけると、何時間おきにトイレに行っているか把握できます。膀胱トレーニングをするうちに、トイレの間隔がだんだん長くなっていくのが目に見えてわかるでしょう。

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