そして、②については、やり方が一目瞭然でないため、表現を変えて説明をしようとしたり、ポーズを変えてみたり、なんとか伝えようとしますが、かえってわかりにくくなっているような気がします。

 それだけならまだいいのですが、問題なのは効果を出すための肝心なことができていないことが多いのです。

 肝心なことというのは、骨盤底筋トレーニングを何回やるか、という「回数」です。具体的には、1日に最低でも45回です。

 「やり方」に固執するあまり、「回数」に注目する人が少ないのですが、実際には回数をこなすことで、セルフケアの効果が出るということは、研究でわかっています。

 「回数がポイント」だということは普通、医師も、看護師も、理学療法士なども、きちんと伝えていません。当然のことすぎて、説明が抜け落ちてしまっているのかもしれません。健康書や健康雑誌にもあまり書かれていません。けれど、灯台下暗し。回数をこなすことは最も重要なポイントです。

 そして、もう1つ知ってほしいのは、やる「期間」も大切だということです。

 調査結果によれば、効果が出てくるまでには、最短でも2か月、平均で3か月必要です。ですから、ぜひ2〜3か月、毎日、続けてほしいのです。

 あまり難しく考えずにやってみてください。生活のなかに組み込んで楽しくやれば、きっと続けられます。
 

目指せ45回! 骨盤底筋トレーニングのやり方

 骨盤底筋トレーニングは、骨盤底筋に力を入れるだけ。とてもシンプルな体操です。

 といっても、骨盤底筋がどこにあるのか自分で意識することは難しいので、「ちゃんとしたところに力が入っているのかわからない」と不安に思う人もいるでしょう。

 でも、骨盤底筋は手足のように自分の意思で動かせる「随意筋」です。手足のように目で確認することはできませんが、動かそうと思えば、ちゃんと動かせます。

 骨盤底筋トレーニングは、どんな姿勢でもできます。でも、初めてやる人は、あお向けで行ったほうがトレーニングの感覚をつかみやすいと思います。

次のページ
おならを我慢するようにがコツ