プロ野球のキャンプインまであと約3週間となった。ポスティングシステムを申請した選手やフリーエージェント(FA)で移籍した選手の人的補償など、まだこの後も動きはありそうだが、ストーブリーグについてもひと段落と言えそうだ。そこでこのオフの補強について、プラスが大きい球団のトップ3をピックアップしてみたいと思う。
【写真】オフに最も“戦力アップした球団”といえば…文句なしでこのチームか
まず3位に挙げたいのがオリックスだ。一昨年は森友哉、昨年は西川龍馬と最近も積極的なFA補強を行っているが、このオフも九里亜蓮(前広島)を獲得。九里は二桁勝利こそ13勝で最多勝に輝いた2021年の一度だけだが、2017年から8年連続で100イニング以上に登板するなど先発として試合を作る能力の高さは申し分ない。昨年は交流戦3試合に先発して2勝0敗、防御率0.41とパ・リーグを相手にも結果を残しているのもプラス材料だ。
昨年チームトップの15本塁打を放ったセデーニョが抜けたのは痛手だが、その穴を埋めるためにメジャーで2023年に10本塁打を放ったディアスを獲得。またドラフトでもセンターの麦谷祐介、あらゆるポジションを守れる山中稜真、リリーフ右腕の東山玲士と即戦力が期待できる選手を3人獲得した。Bクラスから巻き返すための準備は着々と進んでいるという印象だ。
続いて2位は昨年パ・リーグで圧倒的な最下位に沈んだ西武を挙げたい。まず昨年オリックスで15本塁打を放ったセデーニョを獲得できたことが大きい。98試合で97三振と粗さはあるものの、パワーは圧倒的なものがあり、打率も.260と決して低くない。今年で27歳と年齢的にもまだまだ若く、さらに成績を伸ばす可能性も十分あるだろう。
打線強化という意味で期待が大きいのがドラフト2位で獲得した渡部聖弥だ。関西六大学野球でシーズン最多記録となる5本塁打と通算最多タイ記録となる119安打を放った強打者。全国大会、国際大会での実績も申し分なく、肩の強さと脚力も高いレベルで備えている。ルーキーだけに過剰な期待は禁物だが、一軍のレギュラー争いに加わる可能性は十分だ。
抑えのアブレイユが退団となったものの、メジャーで実績のあるウィンゲンター、スピードのあるラミレスと2人の外国人投手を獲得してその穴を埋めようという意欲が感じられる。また日本ハムから移籍した黒木優太、ソフトバンクから移籍した仲田慶介も育成契約での入団ながら、状態さえ問題なければ一軍の戦力となる可能性は高い。昨年の記録的大敗からの巻き返しにも期待できそうだ。