百田夏菜子さんとムロツヨシさん(hair & make up  横山 藍(KIND) 池田真希/styling 滝沢真奈 森川雅代/costume VIOLETTA Mamimi MASANA 71MICHAEL/撮影:写真映像部・松永卓也)

百田:「幕が上がる」の現場のことは覚えてますか? ムロツが演劇部の顧問の先生で、私たちが部員でした。

ムロ:もちろん。初日から夏菜子たちの距離感がとにかくおかしかった。僕も初対面の人に自分からどんどん近づいていくタイプだけど、僕の5倍ぐらいのスピードで近づいてきて。

百田:ははは!

ムロ:ももクロがブワーッて寄ってきて、1シーン撮り終えるたびに僕の携帯の待ち受け画面が変わってるの。「人の携帯の待ち受けを勝手に変えちゃダメなんだよ」って、まずそこの教育から始める必要があった(笑)。

百田:あの時の待ち受けって、もう変更しちゃいましたか?

ムロ:当たり前だよ!

百田:変わっちゃったか〜(笑)。私たちはあの作品で初めてお芝居に取り組んだので、撮影現場での居方がわからなくて、ムロツの優しさにすごく救われました。あの空気が最初にあったから、今もずっとその感覚があって、緊張せずに普通に話せるんだと思います。

ムロ:何のきっかけだったか忘れたけど、現場で夏菜子とだけ連絡先を交換したんだよね。アイドルの人と連絡先の交換なんてしたことないのに、なぜか夏菜子とはしたの。で、その後1回だけ会ったんだよな、芳根京子も一緒に。二人から誘われて嬉しかったな〜。

百田:私ときょんちゃんが初めて一緒にご飯を食べた時に、ノリでお誘いしたんです(笑)。

ムロ:でも驚いたよ。仕事終わりだったからお店の前までマネジャーさんに車で送ってもらったんだけど、言われた場所に着いたらビジネス街の大衆居酒屋でさ。マネジャーさんも「店を間違えてますよ。こんなところで飲んでるわけない」って言ってたからね(笑)。

百田:ふふふ。楽しい夜でした。ムロツとはそれ以来、ご飯に行ってないですよね。

ムロ:うん。連絡は取り合ってたけどね。3カ月に1回、生存確認と心の状態確認のために。 「元気か?」「元気です。元気ですか?」って。

百田:そのやり取りをしたら季節を一つ越えてるっていう(笑)。

ムロ:ちょくちょく連絡を取る人はいるけど、季節ごとに心の状態と生存を確認する相手は夏菜子の他にいないですよ。

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本広(克行)監督から「ももクロを頼むね」