隠せない、いや隠せる、素人風俗体験の刻印 心と体が得する話

 性風俗店でアルバイトする女子大生や主婦がさらに増えている。

 「セックス抜きの風俗店の場合、働く女性の八割方は素人ですね」

 と話すのは、ナイタイスポーツ新聞の山田鉄馬編集部長だ。

 「夫がリストラされて家計を助ける妻もいれば、遊ぶカネ欲しさの学生もいる。風俗産業の暗いイメージがなくなってきているし、セックスレスのため、罪悪感も少ない。先の見えない不景気や就職難も拍車をかけています」(山田部長)

 自由の利くシフト態勢、必要に応じて短期集中的に働けばいい気軽さも人気。しかしその半面、彼女たちにも悩みがある。

 池袋の風俗街を歩き、入店半年の大学生、モカさん(21)に会った。

 「将来、『風俗をしていた女』と言われたくないの。親友にも明かしていない」

 二カ月目のモモカさん(19)はデパート店員で、

 「心の中で彼に謝りながらプレーしているけど、お金が欲しいのには負ける」

 モカさんだと、一晩で五人程度の相手をしている。店の待合室は、二十代、三十代で賑わっていた。

 もっとも男は、保守的な輩が多いらしい。最近、妻や婚約者の「過去のバイト」を疑う男性が増えている。都内の調査業者が言う。

 「週に一、二件は相談が入ります。しかし、現在勤めていれば尾行ですぐわかりますが、過去だと、聞き込みしても、まず難しい。若い人は性にオープンだと思ってたけど、意外だね」

 「素人」だけに、彼女たちの外見や態度などからは、まったく風俗を感じさせないところが悩ましい。モカさんは言う。

 「『ずいぶん上手になったね』と言われたけど、『そーお?』って。何とでもごまかせるの。カレもはっきりとは聞いてこないし」

 では、どんなとき、バレそうになるのか。モカさん、モモカさんたちにポイントを聞いてみた。以下はつまり、「素人風俗嬢の見分け方」ということになる。
 

 (1)カネ回りがいいのに、帰りが午前零時を回らない。(ホステスなら、もっと帰りは遅くなる)
 (2)帰ってくると、ボディーシャンプーのにおいがする。
 (3)日給制のため、急にカネ持ちになったり、貧乏になったりする。
 (4)当日急に休んだり、勤務したりと、「バイト」のシフトが自由すぎる。
 (5)だれかのと比べているような発言をうっかりする。
 (6)フィニッシュの瞬間が事前にわかり、対処が速い。
 (7)テクニックが知らない間に巧みになっているか、突然へたになる。(前者は客に教わるため。後者は、バレないようにするあまり)
 

 「デートの後に店に出るときは、わざと反対側の電車に乗って山手線を一周したりで、私たちも大変なの。簡単にはバレないですよ」

 モカさん、笑っていた。

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