西田拓也五段=2024年1月25日、東京都渋谷区の将棋会館(写真/朝日新聞社)
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 注目対局や将棋界の動向について紹介する「今週の一局 ニュースな将棋」。専門的な視点から解説します。AERA2024年12月9日号より。

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 藤井聡太王将(七冠、22)への挑戦権を争うALSOK杯王将戦・挑戦者決定リーグ戦は永瀬拓矢九段(32)と西田拓也五段(33)の2人が5勝1敗で並んだ。11月25日におこなわれたプレーオフでは118手で永瀬九段が勝利。年明け1月からは藤井王将に永瀬九段がいどむシリーズが開幕する。藤井-永瀬のタイトル戦番勝負は4回目で、七番勝負では初の対戦となる。

永瀬「少し前から藤井さんと2日制を指したことないなっていうのに気づきまして。指したいなというふうには思っていたので。そこで結果を出すことができてよかったなというふうに思います」

 最後は本命格の永瀬九段が貫禄を示したが、ダークホースの振り飛車党・西田五段の活躍ぶりは見事だった。

西田「もうできすぎですね」

 西田五段はそう謙虚に振り返った。

 西田五段は現在、順位戦ではC級1組に所属。年齢的にも、中堅クラスといえそうだ。今期王将戦では1次予選、2次予選を突破して、初のリーグ入りを果たした。まずそれだけで快挙だ。「将棋界でもっとも過酷」と呼ばれるリーグの枠はわずかに7人。メンバーはおおむねトップクラスの棋士で占められている。今期も西田五段以外は全員、A級とB級1組所属だった。

 リーグが始まると、西田五段は王将位通算12期を誇る羽生善治九段に勝利。さらには前期挑戦者の菅井竜也八段にも勝った。3戦目で近藤誠也七段に敗れたが、永瀬九段、佐々木勇気八段、広瀬章人九段を連破。最後はプレーオフで永瀬九段に「本割」の借りを返された形となったが、素晴らしい大健闘ぶりだった。

 西田五段は関西の名門・森信雄七段門下。兄弟子の糸谷哲郎八段は以前、西田五段を「将棋界でもっと評価されるべき男ナンバーワン」と評した。実力者の今後に注目したい。(ライター・松本博文)

AERA 2024年12月9日号

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