プレミア12で好投する井上温大

「日本の先発陣は2つどころか、3つチームが作れるぐらい能力の高い投手がゴロゴロいる。WBCでは、メジャーリーガーがどれぐらい招集できるか、大谷翔平ドジャース)が先発で投げられるかによっても人選が変わってきます。あとは先発だけでなく、救援に対応できる投手のほうが起用法の幅が広い。個人的に面白いと感じるのは追加招集された井上ですね。打者の手元で浮き上がるような球質の直球とスライダー、フォークのコンビネーションで空振りを奪える。国際試合向きの投手だと思います」(侍ジャパンを取材するスポーツ紙記者)

阪神・森下は史上最年少MVPの可能性

 野手陣で評価が急騰しているのが、今大会で4番に抜擢された森下翔太(阪神)だ。1次リーグでは5試合出場で打率.571、1本塁打、6打点をマーク。決勝ラウンドの活躍次第では、WBC・プレミア12あわせて史上最年少となる24歳でのMVPも見えてくる。

 在京球団のスコアラーは森下の魅力をこう語る。

「NPBで強打者と呼ばれる選手でも、国際試合で初対戦の投手に対して力を発揮できないケースが少なくないが、森下の場合は違う。打席で初めて見る軌道の球に対して、自分の間で強いスイングができる。チャンスの場面に強いことも頼もしい」

 23年のWBCでは森下と同じ外野手として、鈴木誠也(カブス)、近藤健介(ソフトバンク)、周東佑京(同)、ラーズ・ヌートバー(カージナルス)、吉田正尚(レッドソックス)が選出され、鈴木が故障で出場辞退したことにより牧原大成(ソフトバンク)が追加招集されている。激戦区の外野手には、森下と同じタイプのポイントゲッターとして、プレミア12で左肩故障のため出場辞退した万波中正(日本ハム)、和製大砲の細川成也(中日)がライバルになるとみられるが、打撃のコンタクト能力の高さで見ると森下が上だ。

 来オフに村上宗隆ヤクルト)がポスティング・システムを利用してメジャー挑戦の可能性が高く、岡本和真巨人)も同じタイミングでメジャーに挑戦する可能性がある。移籍1年目でのWBC出場は、コンディション調整、球団の許可を得られるかの観点で不透明だ。今大会の大活躍を見ると、森下が次回WBCで4番打者を務めても決して不思議ではない。

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井端ジャパンの懸念となるのはこの選手の守備か