みえさんや子どものモノなどをなんでも置きっぱなしにしていた部屋/ビフォー
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 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。 

【魅惑のアフター】仕事の悩みを紛らわせるために始めた片づけ 結果的に仕事も生活もうまくいくようになる解決策だった

case.83 全然くつろげなかった家がストレスフリーに 夫・子ども2人/美容関係

 片づけをすると、思ってもみなかった副産物を得られたという人はけっこう多くいます。家がきれいになっただけではなく、ほかの悩み事が解決したり、暮らしのストレスがなくなったりするのです。

 今回ご紹介するみえさんも、家が散らかっていることに悩んでいたわけではありませんでした。

「一番の悩みは仕事のことでした。仕事でちょっとうまくいかないときに、ふと家の中を見回したらひどい状態で……。本来の悩みからちょっと逃げるような気持ちもあって、片づけようかなと思いました」

 みえさんの視線の先には、モノが散乱したリビングと床に置いたモノが邪魔なキッチン。「片づけなきゃ」という悩みを通り越して、日常的な風景になっていました。子どもがカバンを片づけないままテレビを見ていることにイライラして怒ったり、キッチンがごちゃごちゃしてごはんを作るのに手間がかかったりするのも、いつものこと。

 仕事のことでネット検索をいろいろしていたみえさんは、家庭力アッププロジェクト®の存在を知ります。何年もこの状態だった家を短期間で片づけられるなら……と、興味がわきました。

「美容関係の仕事をしているので、外から見ると華やかな世界にいる人のように思われます。でも、実際の家は散らかっているのに、必死に表面だけを取り繕っているような感覚で疲れていました。仕事の悩みとは関係ありませんでしたが、家の中がきれいになるのはうれしいことだなと思って、なんだか希望の光が見えたような気がしたんです」

 みえさんの本気の片づけが始まりました。

 家の中に多かったのは、人からのもらい物。何かをいただく機会の多いみえさんは、たとえ使わないモノでも申し訳ないからとずっと保管しておきました。

「プロジェクト中に、『プレゼントはくれた人の気持ちだけ受け取ればOK』という話でハッとしました。使っていないモノを手放すようにしたら、くれた人との関係性がよくなったんです。私はモノもずっと持っていなきゃいけないと思い込むあまり、自分で勝手にその人に対してモヤモヤした気持ちを抱えてしまっていたのかもしれません」

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子どもの定位置を徹底的に観察