慶大野球部が来春に卒業する部員の進路先を11月1日に公式ホームページで発表した。NPB入団を希望したが、10月24日のドラフト会議で指名されなかった清原正吾は、「非公表」と書かれていた。
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選手、学生コーチ、アナリスト、マネージャーの計46人の進路先が記されており、官公庁、有名企業に就職する選手が目立つ。慶大でプロ志望届を提出したのは清原と内野手・水鳥遥貴の2人だった。清原と同様に指名漏れとなった水鳥は、社会人野球・明治安田で野球を継続する。進路先が「非公表」なのは10人以上で決して珍しくない。慶大野球部OBは、こう話す。
「本人の意向で入社予定の企業を公開しないケースがあります。また、希望の仕事に就くために現在も就職活動を継続している後輩もいます。清原の場合は野球を続けるか、辞めるかも現時点ではわからない。まだ野球を続けたい思いがあるなら悔いなくやりきってほしいですが、悩んでいるんじゃないですかね。なかなか心の整理はつかないと思います」
中学でバレーボール、高校の時はアメリカンフットボールに打ち込み、慶大野球部で野球を再開。4年時から「4番・一塁」の定位置をつかみ、春に一塁でベストナインを受賞した。秋のリーグ戦も明大戦、東大戦でアーチを放って猛アピールしたが、ドラフト会議で吉報は届かなかった。
四国の強豪球団やホリエモンが設立した球団も
だが、父・清原和博氏と重なる恵まれた体格で並外れた身体能力を持つ逸材を、野球界は放っておかない。NPBのドラフト指名漏れを受け、今季からファームに新規参入したオイシックス、くふうハヤテや、国内独立リーグからオファーが殺到。オファーが報じられた球団の中には、12年連続でNPBのドラフト指名選手を出している四国アイランドリーグPlusの徳島インディゴソックスや、九州アジアリーグに加盟し、実業家の堀江貴文氏が設立した北九州下関フェニックスもある。獲得に名乗りを上げたのは現時点で9球団にものぼる。
スポーツ紙のアマチュア野球担当記者は「華がある選手ですし、知名度が抜群です。『客寄せパンダ』と揶揄する声もありますが、その要素だけでは9球団からオファーは来ません。独立リーグの監督、コーチ陣はNPBでプレー経験している指導者が多い。実戦を積み重ねて技術を高めれば、清原はNPBで通用すると評価しているのでしょう」と分析する。