ドラフトの日、慶大には会見場が設けられたが、清原は指名されず姿を見せなかった

社会人野球では「なかなか難しい」

 一方、気になるのは社会人野球チームからのオファーが報じられていないことだ。

 社会人野球を経てNPBでプレー経験のある指導者は「企業が公表していないだけでオファーを出している可能性がありますけどね」と前置きした上で続けた。

「社会人野球は、ある程度完成した選手を獲得する傾向がある。高卒の選手の場合は素材を評価する部分がありますが、清原選手は大卒です。伸びしろは十分の選手ですが、結果が出なくても我慢して実戦で起用し続ける期間が必要となる。独立リーグは長いシーズンなので、育成のために辛抱強く起用できますが、社会人野球はなかなか難しい。NPBの2軍、3軍との対戦機会もありますが、都市対抗、日本選手権などの大舞台はトーナメントの一発勝負なので計算ができる選手を起用する傾向が高い。清原の年齢を考えると3、4年かけてじっくりという考えではないと思うので、試合に出るチャンスが多い独立リーグやオイシックス、くふうハヤテに入団したほうが成長は速いと思います」

ドラフトでの指名増えた独立リーグ

 近年、NPBのドラフトでは社会人野球チームより独立リーグからの指名が多くなっている。今秋のドラフトでは独立リーグから支配下で7人、育成で9人の計16人が指名された。昨年のドラフトでは過去最多の23人が独立リーグから指名されている。

 独立リーグからNPB入りを叶えて活躍した選手を見ると、又吉克樹(ソフトバンク)、湯浅京己、石井大智(阪神)、宮森智志(楽天)など投手が多い。

 打者で独立リーグからNPB入りして活躍している選手は少ないが、代表格は角中勝也(ロッテ)だろう。首位打者に2度輝き、最多安打のタイトルも獲得。独立リーグ出身選手で断トツの1284安打をマークしている。

 ほかに独立リーグ出身の打者には和田康士朗(ロッテ)、増田大輝(巨人)、岸潤一郎(西武)が挙げられるが、それぞれの経歴が興味深い。

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オファーした独立球団監督が言う清原の魅力とは