「AERA dot.」に最近掲載された記事のなかで、特に読まれたものを「見逃し配信」としてお届けします(この記事は10月1日に「AERA dot.」に掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
【写真】「名古屋の父親」が存在すると話題になった助っ人といえば…
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中日でプレーする外国人選手は球団や地元の名古屋に愛着を持つケースが多いという。巨人や阪神のように全国区ではなく、“地味”なイメージを持つ他球団ファンも多いと言われるが、なぜ助っ人たちに愛されるのだろうか……。
中日は今季もヤクルトと最下位争いという状況に陥り、契約最終年となった立浪和義監督は今季限りで退任することが決まった。若手も育ってはいるものの、まだまだ計算できる選手は多くない。ただ例年通り外国人選手のパフォーマンスは目立った。
「球界屈指の抑え投手ライデル・マルティネス(以下ライデル)と内外野が守れるオルランド・カリステの存在は大きい。中日の外国人選手発掘の上手さは不変のようだ」(在京球団編成担当)
今季は来日9年目のダヤン・ビシエドと新外国人のアレックス・ディカーソンは二軍暮らしが続いたが、それでも中日の助っ人補強が巧みだということは変わらない。
「外国人選手が当たるのは、もともとの素材が良いのもあるが名古屋での生活が快適でストレスがたまらないのも大きい。環境に溶け込めることで、母国と変わらない精神状態でプレーに集中できるのだろう」(中日OB)
中日で長く活躍してきたビシエドは家族とともに名古屋で暮らし、息子が地元の少年野球チームに所属しているのは有名。以前所属したアリエル・マルティネス(現・日本ハム、以下アリエル)や、ライデルはグラウンド外で面倒を見てくれる「名古屋の父親」が存在することも話題となった。カリステも彼らを見習って積極的に地元に溶け込もうとしているという。
「『名古屋人は最初は警戒心を抱くが、打ち解けてからは家族のようになれる』と言われる。外国人選手は母国から離れた日本での生活に不安は大きいはず。心が通い家族のように接してくれる名古屋の人を好きになるのも理解できる」(中日OB)
「(近年在籍した)キューバ人の選手はスペイン語に加え日本語でも積極的に会話をしようとする。そういう姿を見て、名古屋の人たちも良くしてくれるのだろう。他の土地ならここまでうまく行かなかったかもしれない」(中日関係者)