今年、最多勝などのタイトルを獲得した伊藤大海

新庄監督に救われ今季はエースの働き

 伊藤は気持ちが救われただろう。今季は14勝5敗、防御率2.65で最多勝、最高勝率(.737)のタイトルを獲得。5完投、4完封はいずれもリーグトップで、エースにふさわしい活躍ぶりだった。

 2年連続最下位から2位に躍進したというだけでなく、新庄監督の手腕を評価する声は多い。他球団のスコアラーは「伸び悩んだり、くすぶったりしている選手の才能を引き出す能力が非常に高い。清宮幸太郎、松本剛、他球団から移籍した郡司裕也、田中正義、池田隆英、水谷瞬……彼らは新庄監督がいなければ1軍の舞台で活躍できずに消えていたかもしれない。万波中正、田宮裕涼、金村尚真、北山亘基と若手の成長株が次々に頭角を現していますし、就任した2年前に比べてチーム力が格段に上がっている」と指摘する。

 22年から2年連続で借金22と最下位に沈んだが、今季は貯金15で2位に躍進。首位独走で4年ぶりのリーグ優勝を飾ったソフトバンクには13.5ゲームの大差をつけられたが、若手が主体のチームは経験値を重ねることでまだまだ伸びしろがある。

 来季に向けて明るいニュースも飛び込んできた。

“どこにも行かないで”に応えてレイエスが残留

 新庄監督は9月29日の本拠地エスコンフィールド最終戦の試合後のセレモニーで、「みなさんに一つお願いがあります。来年、レイエスとマルティネス、ファイターズのユニホームを着てほしくないですか? よそのチームのユニホームは似合わないですよね。“どこも行かないで運動”を始めてください」と呼びかけていたが、10月21日、球団はレイエスが複数年契約に合意し、日本ハムに残留することを発表した。

 レイエスは、
「ファイターズ以外の場所でプレーすることは考えられませんでした」
 というコメントを発表。日本ハムファンを歓喜させた。

「レイエスの残留は朗報です。夏場以降に打棒が爆発したレイエスの獲得に興味を示す球団が多く、残留交渉が今オフの大きなポイントだった。ただ、来季も日本ハムが優勝争いできるかというとそんなに甘くはない。他球団のマークが厳しくなるし、今年の戦力にプラスアルファが必要になる」(北海道のテレビ関係者)

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「大航海」の舵を取れるのは新庄監督だけ