桐朋の森井翔太郎

メジャー挑戦を公言する桐朋・森井

 4人目は桐光学園の森駿太。今年のドラフトは石塚裕惺(花咲徳栄)、斎藤大翔(金沢高)、宇野真仁朗(早実)、今坂幸暉(大阪学院大高)など「高校生の遊撃手」に上位候補の逸材が多いが、森はその中で異彩を放つ。豪快なスイングで高校通算48本塁打と飛ばす能力が高い反面、空振りが多く確実性があるとは言えない。

 かつてプロでスカウトを務めたアマチュア野球の指導者は「森は鍛えがいのある選手だと思いますよ。あれだけ振れる高校生はなかなかいない。少し時間は掛かると思いますが、入った球団や指導者次第で大化けする可能性がある。プレースタイルで重なるのは佐藤輝明(阪神)。潜在能力は計り知れない」と評する。

 最後に紹介するのは、桐朋の森井翔太郎。高校通算45発の強打者で、投手としても最速153キロを計測するなど抜群の身体能力で注目されるが、高校卒業後は渡米してメジャーリーグを目指すことを公言している。マイナー契約からはい上がる道を選び、すでにMLBの4球団と面談を済ませたとも報じられた。メジャー挑戦一本と明言する森井を、強硬指名する球団は出てくるだろうか。

「かつて高卒後にメジャー挑戦を表明していた大谷翔平ドジャース)を、日本ハムが1位で強硬指名したケースがありましたが、あの時とは状況が違います。森井は伸びしろ十分の逸材ですが、入団拒否のリスク覚悟で指名する球団があるとは考えづらい。ただ、今の高校生は大谷の活躍に刺激を受けてメジャーを目指す選手が多いので、これからは森井や米国のスタンフォード大に進学した佐々木麟太郎のように、NPBを経由せず高卒で渡米する選手が増えるかもしれません」(スポーツ紙デスク)

 これも時代の流れかもしれない。ドラフトで各球団がどのような指名を敢行するか、要注目だ。

(今川秀悟)

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