大西蓮(履正社高校時代)
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 24日に開催されるドラフト会議では、複数球団による争奪戦が必至な宗山塁(明大)、金丸夢斗(関西大)の動向が注目されるが、上位指名でなくてもプロで大化けするケースがある。まだまだ粗削りだが、スケールの大きなロマン砲たちを紹介したい。彼らはドラフトで指名されるだろうか。

【写真】ドラフトで争奪戦必至の宗山塁(明大)

 1人目はJR東日本東北のスラッガー・大西蓮だ。履正社で2年時に全国制覇を経験し、卒業後は社会人野球へ。入社2年目から4番を務め、22年のU-23W杯では首位打者に輝いている。今年の都市対抗2次予選では打率.636、2本塁打、6打点で首位打者&MVPに。本大会の初戦・JR西日本戦でも2本のアーチを放った。

「履正社の時から豪快なスイングでプロ注目の選手でしたが、社会人野球でプレーして確実性が上がった。選球眼が良いのも強みです。ボール球になる変化球をきっちり見極められる。対応力の高い選手ですね。懸念材料は守備位置です。一塁を守ることが多いですが、プロでは外国人選手や強打者が守るポジションなので、三塁に回る可能性がある。守備での対応力をどう評価するかですね」(アマチュア野球を取材するフリーライター)

 過去にも打力を評価されながら守備位置が一塁だったため、指名を敬遠された選手がいる。DeNAにドラフト9位で入団した佐野恵太だ。明大で同学年だった柳裕也中日のドラフト1位、星知弥はヤクルトのドラフト2位で指名されたが、佐野の注目度は低かった。だが、その後の活躍を見ればこの指名は大成功だ。首位打者、最多安打を獲得するなど大ブレーク。DeNAの中軸に不可欠な存在になった。

 社会人で右のスラッガーといえば、杉本裕太郎(オリックス)がドラフト10位、末包昇大(広島)がドラフト6位と下位指名で入団しているが、プロで素質を開花させている。大西は高卒4年目で大卒の選手と同学年。右のスラッガーが不足しているチームは獲得する価値が十分にある。

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独特な打撃フォームの富士大の内野手は