石破茂首相は就任からわずか8日後の9日に衆院を解散し、第1次公認候補279人を発表した。この動きを踏まえ、AERAdot.は政治ジャーナリストの野上忠興氏と角谷浩一氏に、全選挙区の当落予測を聞いた。「裏金」「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」にかかわる議員について、国民はどのような審判を下すのか。
自民党執行部は9日の段階で、裏金問題に関与した国会議員12人を非公認にした。松野博一前官房長官と武田良太元総務相の2人は「役職停止1年」の処分を受け、その処分は継続しているものの、公認された。
「個々の判断については、選挙情勢に合わせて判断しているのだと思う」(角谷氏)
森山幹事長「もっと厳しい処置をしないといけない」
その他の政治資金収支報告書に不記載があった30人を超える議員については、小選挙区で公認したとしても、比例の重複立候補を認めない方針だ。これまで比例単独候補だった杉田水脈氏らの扱いについては引き続き検討するとしていたが、11日の各紙の報道によると、杉田氏は衆院選への立候補は見送る方針を決めたようだ。次期、参院選に出馬する意向との報道もある。
角谷氏は、自民党の公認、非公認の判断についてこう話す。
「石破首相は当初、裏金議員についての対応があいまいだったけど、自民党の情勢調査で惨敗に近い、厳しい数字が出たそうです。それで、小泉進次郎選対委員長や森山裕幹事長が、『もっと厳しい処置をしないといけない』と提言し、石破首相も、裏金議員の非公認を含む厳しい対応に変わった」
ただし、裏金議員たちの多くの地元県連などからは「公認申請」が出ており、それをどう受け止めるかはこれからだ。
「総裁選で、問題議員はみんな高市さんを応援したんですよ。高市さんなら許してくれるんじゃないかという期待感があってのことです。高市さんが勝つと、裏金議員も再処分なんかされず、復活できるんじゃないかと都合よく思っていた。石破さんが総裁選で勝ったから、裏金議員に厳しくあたっているのは確かです」(角谷氏)