25歳の“論客”自民候補が殴り込み!
4月の補欠選挙で熱い戦いが繰り広げられた15区は、現職の立憲・酒井菜摘氏のほか、補選で2位だった元格闘家の須藤元気氏、兵庫県の斎藤元彦前知事のパワハラ疑惑に対する日本維新の会の初動に納得できず離党したばかりの金沢結衣氏など、注目候補が再集結する見通しだ。
そこに殴り込みをかけるのが、公募によって自民候補に決まった25歳の新星、大空幸星(こうき)氏。NPO法人「あなたのいばしょ」理事長で、Z世代の論客としてテレビ番組にも引っ張りだこだ。政治家としてのポテンシャルは未知数だが、野上氏によるとまだそれほどの存在感は示せていないといい、激戦の補選を勝ち抜いた酒井氏が再選するのが順当だと見る。
一方の角谷氏は、補選からの下剋上もあり得ると指摘する。
「酒井氏は、補選では辻元清美氏、蓮舫氏、岡田克也氏ら立憲幹部が総動員で応援しましたが、今回はそうもいかない。15区にあたる江東区を地元にもつ須藤氏が有利でしょう」
「とにかく評判が悪い」萩生田氏
24区の八王子市は、安倍派5人衆の萩生田光一氏が強固な地盤を築いており、前回の衆院選では2位の候補に10万票以上の差をつけ圧勝した。しかし、政治資金収支報告書への2728万円の不記載が発覚した“裏金議員”として、今回、自民党からの公認は得られない。
とどめの一撃となったのが、9月17日付の朝日新聞の報道だ。「安倍晋三首相(当時)が2013年の参議院選挙直前、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の会長らと自民党本部の総裁応接室で面談していたとみられる」と報じられ、掲載された「面談時とされる写真」には、はっきりと萩生田氏の姿が写っていた。
そんな萩生田氏に対し、立憲がぶつけてきたのは、旧統一教会問題を長年追ってきたジャーナリストで元参院議員の有田芳生氏だ。有田氏は昨年4月、安倍元首相死去に伴う衆院山口4区補選で落選したばかりだが、対萩生田氏であれば有田氏に分があると、野上氏は見る。
「萩生田氏はもともと、自民党都連の先輩議員を呼びつけるなど横暴な振る舞いをしたり、選挙区の候補者調整をめぐって公明党を敵に回したり、とにかく評判が悪い。今回は周囲が“水に落ちた犬を打つ”という雰囲気に一転し、ボロ負けする可能性があります」