記者会見に臨む自民党の萩生田光一氏
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 衆院選が15日に公示される。スピード解散に踏み切った石破茂首相は9日、“裏金議員”12人を非公認にすると発表し、自民党内は混乱が続いている。各選挙区にどんな影響が出るのか。東京・南関東の注目選挙区について、政治ジャーナリストの野上忠興氏と角谷浩一氏に聞いた。

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10月11日時点で編集部が把握した、第50回衆議院議員選挙に立候補が予想される候補と、識者2人による当落予測。主要5政党以外から出馬し、当選可能性ありと判断された候補は「その他」の欄に記載した。太字・下線表記の候補は前職。【◎:有利、〇:やや有利、△:当落線上、▲:追い上げれば当選の可能性も】

【東京ブロック】

 7区には、派閥からのキックバック822万円を政治資金収支報告書に記載していなかったことが発覚した丸川珠代氏が参院からくら替え出馬する。立憲民主党の新代表・野田佳彦氏は9月、同区の街頭で、「自民党自身が厳しい処分を行うべきだった。それをやらないならば、有権者がペナルティーを与えるしかない」と訴えた。

 丸川氏は、2010年に国会で「愚か者めが。このくだらん選択をしたバカ者ども絶対忘れん」という過激な野次を飛ばし、炎上騒ぎを起こしたことでも知られる。

「丸川氏はこれまでの高圧的な言動の数々のせいで、女性政治家のわりに女性からの人気が低い」(野上氏)

「知名度はあるものの、今回は雲ゆきが怪しくなってきた」(角谷氏)

 と両氏とも丸川氏の当選は厳しいと踏む。

 8区には、前回の衆院選で自民党の石原伸晃氏を破って初当選し、先の立憲代表選への出馬でも記憶に新しい吉田晴美氏が立候補している。自民党からは同じく女性候補の門寛子氏が出馬するが、野上、角谷両氏ともに吉田氏に軍配をあげる。

「吉田氏はもともと無名の議員だったけれど、代表選に出て一気に知名度を上げた。若々しい印象で、弁舌もしっかりしていて、好感度は高いはず」(野上氏)

「8区はリベラル層が強い杉並区なので、吉田氏が優勢」(角谷氏) 

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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萩生田氏への“とどめの一撃”