四面楚歌の状況を受け、本人にも十分焦りはあるようで、

「萩生田氏の周囲からは、『萩生田さんは口を開くたび、俺は落ちるんだ……とぼやいていて、うるさくてしょうがない』といった声が聞こえてきます」(野上氏)

 とはいえ、何が起こるか分からぬ選挙戦。当選の可能性もゼロではないが、いずれにせよ待っているのはいばらの道だろう。

「萩生田氏は、安倍派裏金問題や旧統一教会との癒着以外にも、自民党東京都連にまつわる政治資金規正法違反の疑いが浮上してきています。まさに疑惑のオンパレードで、今回選挙に勝っても、この先、要職に就くのは難しいでしょう」(角谷氏)

10月11日時点で編集部が把握した、第50回衆議院議員選挙に立候補が予想される候補と、識者2人による当落予測。主要5政党以外から出馬し、当選可能性ありと判断された候補は「その他」の欄に記載した。太字・下線表記の候補は前職。【◎:有利、〇:やや有利、△:当落線上、▲:追い上げれば当選の可能性も】

処分されたのに公認を得た“安部派5人衆”

【南関東ブロック】

 注目の“裏金議員”は、千葉3区にもいる。萩生田氏と同じく安倍派5人衆である松野博一氏は、1051万円の不記載により党役職停止1年の処分を受けたが、政治倫理審査会で弁明したことが評価され、党の公認を獲得した。

 対抗馬の立憲・岡島一正氏との激しい戦いが予想されるが、角谷氏は「公認をもらったことでピンチは切り抜けた」とみる。野上氏も「前回の衆院選では岡島氏に4万票以上の差をつけて勝利したので、今回も逃げ切るのでは?」と松野氏優勢の見方だが、「共産候補が出馬を取りやめて野党一本化が実現すれば、岡島氏にもチャンスはある」と釘をさす。

(AERA dot.編集部・上田耕司、大谷百合絵)

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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