四面楚歌の状況を受け、本人にも十分焦りはあるようで、
「萩生田氏の周囲からは、『萩生田さんは口を開くたび、俺は落ちるんだ……とぼやいていて、うるさくてしょうがない』といった声が聞こえてきます」(野上氏)
とはいえ、何が起こるか分からぬ選挙戦。当選の可能性もゼロではないが、いずれにせよ待っているのはいばらの道だろう。
「萩生田氏は、安倍派の裏金問題や旧統一教会との癒着以外にも、自民党東京都連にまつわる政治資金規正法違反の疑いが浮上してきています。まさに疑惑のオンパレードで、今回選挙に勝っても、この先、要職に就くのは難しいでしょう」(角谷氏)
処分されたのに公認を得た“安部派5人衆”
【南関東ブロック】
注目の“裏金議員”は、千葉3区にもいる。萩生田氏と同じく安倍派5人衆である松野博一氏は、1051万円の不記載により党役職停止1年の処分を受けたが、政治倫理審査会で弁明したことが評価され、党の公認を獲得した。
対抗馬の立憲・岡島一正氏との激しい戦いが予想されるが、角谷氏は「公認をもらったことでピンチは切り抜けた」とみる。野上氏も「前回の衆院選では岡島氏に4万票以上の差をつけて勝利したので、今回も逃げ切るのでは?」と松野氏優勢の見方だが、「共産候補が出馬を取りやめて野党一本化が実現すれば、岡島氏にもチャンスはある」と釘をさす。
(AERA dot.編集部・上田耕司、大谷百合絵)