巨人・吉川尚輝がプロ8年目にしてシーズン全試合出場を果たした。
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2016年のドラフト1位で入団後は高い潜在能力を見せ、毎年ブレイクが期待されたが、怪我も多く殻を破れない状態が続いた。だが、今季は3年連続で規定打席に到達するなど、キャリアベストのパフォーマンスでチームの4年ぶりとなるリーグ優勝に大きく貢献した。
球団で長く続いた正二塁手不在という問題にピリオドを打った感もある吉川をシーズンMVPに推す声も多く、これから始まるクライマックスシリーズ(CS)でのプレーも注目されている。
今シーズンの活躍については「先を見ずに1試合1試合積み重ねてきた結果」と吉川は謙虚に語るが存在感は抜群だった。先述のとおり全143試合に正二塁手として先発出場、攻撃面ではリーグ5位となる154安打を放ち、打率.287、5本塁打、46打点、12盗塁をマーク。武器でもあるディフェンス面では二塁手としてリーグトップの守備率.994を記録し、セイバーメトリクスの指標なども抜群の数値だった。打撃成績では数字に派手さはないが、走攻守での貢献度は測りしれないものがあった。
「入団時から大きな期待をされていたが、ようやく実力通りの結果が出た。故障にたびたび悩まされ、一時は現役引退が脳裏によぎり悩んでいた時期もあったと聞く。真面目な野球小僧の活躍をみんなが喜んでいる」(巨人OB)
本人も「怪我をしないのが目標です」と真剣に語るほどだった。攻撃的なプレースタイルが災いするのか怪我が多く、持病の腰痛にも苦しんだが、日々の努力が実った。
「常に球場に早く入って入念なウォーミングアップを欠かさない。帰宅後も長時間かけて湯船に浸かる入浴とストレッチを行なってからベッドに入るようです。少しでも違和感を感じたらチームドクターに相談する姿も見かける」(巨人関係者)
コンディションさえ維持できればリーグ屈指の存在。今季の打順は主に2、3番を任され中軸に繋げるチャンスメイカーとして機能し、リーグ6位の65得点を記録。二塁の守備に関しては、これまで10度のゴールデングラブ賞を受賞した名手の広島・菊池涼介も認めているほどだ。